RSF 放射線安全フォーラム
特定非営利活動法人放射線安全フォーラムの設立について


 このたび、放射線の安全利用に関わりを持つ有志が、以下の目標を掲げて、特定非営利活動法人(NPO)放射線安全フォーラムを設立しました。
  1. この分野に関わりを持つ人たちに相互研鑽の場を提供するとともに、放射線の利用や安全に関する有能な後継者の育成を図る。
  2. 広く社会に放射線の利用や安全に関する知識の普及を図るとともに、会員の豊富な経験に基づく政策提言などを通して、社会に貢献する。
 NPO放射線安全フォーラムの母体は、すでに20年以上も、放射線の利用と安全に関わりを持つ人たちの情報交換と相互研鑽の場として活動してきた「放射線防護研究会(略称SS研)」です。SS研は、会員相互の自己研鑽の場を提供するという目的を十分に果たして来ましたが、任意団体に過ぎないため、会員の知識や経験を生かし、対外的に貢献する活動が十分にできませんでした。国際放射線防護委員会(ICRP)のパブリック・コメントに応じるなどささやかな努力はして参りましたが、チェルノブイリ原発の事故(1986年)やJCO事故(1999年)などに際して、社会に意見を表明し、国や公的機関に政策提言をするには、任意団体であることの制約は小さくありませんでした。

 上に述べたような事故の際、私たちが痛感したことは、放射線や放射能への理不尽な恐怖感は、人々に放射線そのものより遥かに大きな害を及ぼすということです。それを避けるための有効な対策は、専門家と一般の人々の間で知識や情報の仲介者となる人材の確保と養成です。NPO放射線安全フォーラムが母体とするSS研の人材は、この分野の要請に応えうる能力と経験と意志を有して居ります。

 そこで、志を同じくし、あるいは志に賛同する仲間と語り合い、2007年4月6日に東京都へ特定非営利活動法人の認証を申請し、8月10日付で登記される運びとなりました。私たちは、これからの放射線安全フォーラムの活動が、放射線に対する正しい理解の社会への普及に資するとともに、放射線の安全利用の増進に寄与することを願っております。